私の考え

憲法審査会会長に就任 (第1回)(2015年6月2日)

(1)はじめに
 昨年末の総選挙では皆さんのおかげで13回目の当選をさせていただきました。心から感謝申し上げます。総選挙後の特別国会において、私は衆議院憲法審査会会長に就任しました。憲法改正を政治家としてのライフワークの一番重要なテーマにしていましたので、会長の重責を全うするために全力で取り組む決意でいます。
 私は、平成27年4月2日の今国会最初の憲法審査会において、会長として今後の運営の基本を所感として述べさせていただきました。この所感の内容はこのホームページに掲載してあります。

(2)憲法審査会の歴史
ア 憲法審査会の前身である憲法調査会
 憲法審査会の前身である憲法調査会が、国会において憲法を論議する初めての機関として設置されたのは、今から15年前、第147回国会の平成12年1月20日です。
 同調査会の設置は、平成9年5月に自民党の元衆議院議員である中山太郎先生が立ち上げた「憲法調査委員会設置推進議員連盟」による積極的な働きかけと、これに賛同する与野党各会派の先生方による2年以上にわたる多大な努力の結果でした。
 同調査会は、中山太郎先生が会長に就任し、約5年の歳月をかけて、憲法全文はもちろん、国の在り方に至るまで広範かつ総合的に調査を行い、平成17年4月に調査や議論の結果を最終報告書としてまとめ、衆議院議長に提出しました。その内容は、国権の最高機関である国会の憲法論議に真にふさわしい充実したもので、今日までの国会の憲法論議の基礎となっています(憲法調査会報告書)。

イ 憲法改正国民投票法を成立させた憲法調査特別委員会
 憲法調査会報告書の提出から約半年後の平成17年9月22日、同報告書の多数意見に基づき、憲法改正国民投票法制などを審議するため、憲法調査特別委員会が設置されました。憲法調査会に引き続き、中山太郎先生が委員長に就任され、同委員会に提出された憲法改正国民投票法案は、1年半余りの調査や審議の結果、第166回国会の平成19年5月14日、参議院本会議で可決・成立しました。

ウ 憲法改正原案などを審議する憲法審査会
 国民投票法に基づき、第167回国会の平成19年8月7日、衆参両院に憲法審査会が設置されました。その後、国民投票法案の採決の際の混乱などが尾を引いて、4年2か月余りの活動休止期間が生じましたが、第179回国会の平成23年10月20日、衆参両院で憲法審査会委員が選任され、実質的な活動がスタートしました。憲法審査会のこれまでの歩みや現在の取り組みについては、憲法審査会のホームページに充実した記載がありますので、是非ご覧下さい。
 憲法審査会は、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査します。この憲法審査会は、50人の委員で組織され、委員は、各会派の所属議員数の比率により、各会派に割り当てられます。
 憲法審査会の運営は、各会派から選出される幹事から成る幹事会の協議によって進められます。そこでは、憲法調査会時代に中山太郎会長の下で培われ、憲法審査会になってからも継承された運営上の良き伝統に基づいた運営が行われています。すなわち、憲法審査会では、各会派の所属議員数の多寡にかかわらず、各会派・各議員の発言の機会を平等にすることを原則にしています。少数意見を尊重し、国民のあらゆる意見を吸収し、公正・公平な運営を大切にしているのです。この点については、さきほど述べた私の所感を是非参考にしてください。

エ 衆議院憲法調査会以来憲法審査会までの私の関わり
 私は、超党派の憲法調査委員会設置推進議員連盟時代から中山太郎先生と行動をともにし、平成12年憲法調査会発足以来、2度にわたる法務大臣就任の時以外は憲法調査会の幹事を務めました。民主党政権時代は議席を失っていましたが、平成24年に国政に復帰して以来、「0増5減」など違憲性を司法に問われないための定数是正法案などの審議のため、政治倫理の確立及び公職選挙法の改正に関する特別委員長に就任したため、憲法審査会には一委員として審議に参加していましたが、先に述べたように、昨年末に憲法審査会会長に就任することになりました。
 以上述べたように、最初から国会での憲法論議に参加してまいりましたが、いよいよ具体的な憲法改正論議を行う段階にさしかかり、憲法審査会長の重責を担うことになりましたので、公正・公平な運営に努め、しっかりと答えを求めていきたいと思います。

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