私の考え

観光を地方創生の柱の一つに(2014年11月27日)

 鹿児島には、世界にも発信できる素晴らしい豊富な観光資源が眠っています。中でも、日本の国歌・国旗である「君が代」や「日章旗」のルーツであることは未だに観光に活かされていません。このような明治維新の原動力となった歴史、世界でも珍しい都市に隣接する錦江湾や桜島、霧島連山や薩摩富士といわれる開聞岳、至る所にある温泉などの美しい自然、全国有数の畜産業などの農業資源、挙げれば枚挙に暇がありません。

 一昨年は「霧島ジオパーク」が、昨年は「桜島・錦江湾ジオパーク」が日本ジオパークに認定されました。また、磯の集成館機械工場などが明治日本産業革命遺産として、奄美・琉球が自然遺産として世界遺産の登録に向けて着実に進んでいます。鹿児島市では、鶴丸城の御楼門が再現される計画が着々と進んでいます。

 観光は、まさに鹿児島の地方創生の重要な柱となり得ます。持てる豊富な観光資源を活かし国内外に発信する体制を整えなければなりません。それぞれの観光地が別々に発信するのではなく、広域で連携し、観光客が回遊することを考えてアピールしていく必要があります。また、観光というと、観光スポットを周るだけのものと考えがちですが、それでは何度も鹿児島に行きたいというリピーターの数は増えません。例えば農家に宿泊して鹿児島の農林業など鹿児島の伝統文化を体験してもらったり、充実した医療と結びつけた自然豊かな「鹿児島癒しのツアー」を企画することも世界の観光客から見れば魅力的です。人情に厚い鹿児島の人々や薩摩の歴史に触れて感動する、まさに新しい時代の魅力ある観光の姿だと思います。

 このように、これからの観光には、宿泊施設の事業者、旅行会社や旅客交通会社だけでなく、国や県の観光当局や金融機関はもとより農林漁業、医療、教育関係者(すでに伊藤知事と連携し鹿児島大学に観光人材育成の部門の開設に向けて努力中)などと幅広く連携し、世界の観光客にとって魅力ある企画を提供していかなければなりません。また、観光市場の調査やその道に造詣が深い人を招いて参画してもらったり、世界の観光客に効果的な宣伝や告知をしたり、来て頂くための色々な工夫などを戦略的に実践していく必要があります。
 そのためには、鹿児島の観光全体の戦略推進の司令塔が必要です。欧米の観光先進諸国においては、観光地域振興の推進主体(司令塔)として DMO(Destinaton Marketing/Management Organization)が重要な役割を果たしており、政府も地域観光のために日本版DMOの推進に乗り出しています。私は、是非とも、鹿児島の観光振興に資する鹿児島版DMOを作らなければならないと思い、関係者と話合いを始めています。

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