私の考え

インターネット選挙解禁、議員定数是正法案、成年被後見人の選挙権回復(2014年11月27日)

 私は、昨年の通常国会から本年の通常国会まで、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会の委員長を務めました。この間の公職選挙法の主要な改正について触れたいと思います。

 まず、インターネットを利用した選挙運動を解禁する公職選挙法の改正です。
 ネット社会が急速に広がる現在、多くの政治家がホームページを持ち、ブログを書き、また、フェイスブックやツイッターを利用してリアルタイムに政治活動について広範な情報発信をしています。ところが旧法では、選挙が始まるとホームページを書き換えることやインターネットを利用した選挙活動が一切禁止されていました。日頃インターネットを活用していた候補者が、選挙期間に入るとインターネット上の主張が一切できないというのはある種異様な光景です。むしろ、政治家がインターネットを利用し多くの情報を発信し、主権者である国民がインターネットを使って選挙に参加することが民主主義の発展や投票率の向上につながると思います。この結果、平成25年の参議院議員選挙からインターネット選挙が解禁されました。

 次に、いわゆる「0増5減」の区割り法案です。一昨年の総選挙では、解散の日にいわゆる「緊急是正法」は成立しましたが、それに伴う区割りの変更は間に合わず、3年前に最高裁から違憲状態と判断された状況を解消できないまま選挙を行った結果、各地の高等裁判所において違憲等の厳しい判決が出されました。その後出された区割り審議会の「緊急是正法」の区割り勧告に基づく法案を昨年の通常国会中に成立させなければ、昨年の秋ないし冬にも予想される最高裁判決で違憲の判決が出る可能性は極めて高い状態でした。もし違憲判決がでれば、衆議院議員は全員「違憲国会議員」となり、内閣総理大臣の指名、予算や法案の議決、最高裁判所の裁判官の指名など全てが無効となりかねず一歩誤ると国家統治システム崩壊の危機を招かざるを得ませんでした。
 私は、倫選特委員長としての重大な責任を負っていましたので、与党が参議院で過半数を持っていない「ねじれ国会」の状況を踏まえ、憲法59条第2項により衆議院の3分の2の多数で再議決してでも成立を期すため、再議決に必要な60日間を考慮し、敢えて職権で採決を行う判断をしました。民主党の野田総理と野党時代の谷垣自民党総裁との党首討論で合意した『議員定数削減』の約束は、現在、衆議院議長の下の第三者委員会で検討中で、その答えが出れば、これを私たちは尊重することになっています。

 最後に、成年被後見人の選挙権を回復させるための公職選挙法改正です。
 この改正により、昨年の参議院議員選挙では13万6000人の成年被後見人の方々が選挙権を行使できることになりました。昨年の3月、東京地方裁判所において、「成年被後見人になると選挙権を失うとする公職選挙法の規定は、参政権と法の平等を保障した憲法に違反する」という判決が下されました。これを受け、自民党と公明党は、直ちに成年被後見人の選挙権を回復させる議員立法を与野党共同提案として提出しました。そして、私が委員長を務める政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会でこの法案が審議・可決された後、参議院で成立しました。

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