私の考え

知的財産戦略について(2014年11月4日)

 今日まで、私は、「知財立国」の実現を目指し、特許権、商標権及び著作権等の「知的財産権」の保護・活用に関する法改正と施策の実行に取り組んできました。

 この秋、臨時国会が開会され、内閣の改造と併せ、自民党の役員人事が行われ、私は、引き続き、自由民主党の知的財産戦略調査会長を拝命することになりました。既に、今年6月、私が会長として取り纏めた自民党の「10の提言」を基に策定された内閣の「知的財産推進計画」はもとより、改訂版の日本再興戦略、骨太の方針には、知財戦略調査会の提言や基本的な考えが反映されていますが、今後、そのフォローと、新たな課題に取り組んで参ります。

 特に、本年度はアベノミクスの3本の矢の3本目、いわゆる成長戦略の仕上げの年であり、その実現のため、自民党知財戦略調査会としても全力で取り組みます。
とりわけ、産業競争力強化のための知財戦略を推進することは極めて重要で、ノーベル物理学賞でも話題になった「職務発明」に代表される特許制度や「不正競争防止法」における営業秘密保護制度の2つの改革により、企業の知財戦略のウィング(あるいは選択肢)が、相当拡がることになります。

  また、オリンピック、パラリンピックの招致が決定したことを踏まえ、グローバルな視点からの知財戦略という点では、日本のコンテンツを海外に発信する、またとない機会が巡ってきました。TPPの知財分野の交渉も大詰めを迎えていますが、著作権(コンテンツ)をめぐる制度改革もこれを機に議論を加速化させていく必要もあります。

  言うまでもなく、知財戦略を巡る課題は、この一年で全て解決されるほど容易なものではありませんが、少子高齢化に伴う労働力人口の減少、製造拠点のグローバル化、アジアを始めとする新興国の輸出力の強化等により、貿易赤字の構造的定着が免れない中で、経常収支で黒字を維持し、国力を向上し、明日の世代に夢と希望を与える切り札が、「日本は知恵で稼ぐ」、すなわち、知財戦略であり、時間をかけて議論するべきところはしっかりと議論し、従来の発想を超える大胆な改革にチャレンジしていくべきと思います。

  合わせて、知財戦略を推進するためには、司法面の強化が欠かせません。橋本内閣の時に、政治主導でスタートした司法制度改革の成果として実現した知的財産高等裁判所は、現在、順調かつ適切に事件を処理しており、日本の姿勢を内外に示す重要なシンボル的存在となっており、知的財産立国の実現には、司法による適切な権利の保護という観点は、密接に関連しています。

  これらの知財戦略を推進するために、何より「人財」が重要です。知財戦略を支える人財を養成するために、法曹養成についても国を挙げて真剣に取り組む必要があります。知財に熟知した人財が、司法分野のみならず、民間、行政、立法等社会にあまねく存在してはじめて、知財戦略は完結するものと考えております。

 こうした知財戦略は、地元とも非常に深い関係があります。鹿児島県においては、知事が先頭に立ち、商工労働部が核になり、鹿児島の経済の伸長を実現するため、既に、鹿児島県の「知的財産戦略」が策定され、その実現に向けて、取り組みが進んでいます。団体商標等を活用を通じた知的財産ブランド戦略は、農業・水産業を含む生活関連産業全般にわたるものでもあり、鹿児島においても知的財産の活用を通じた産業競争力の強化や地域の活性化に対し、中小企業の関係者をはじめ県民の皆様が、積極的に取り組まれることを期待いたします。

私の考えトップへ