私の考え

統合医療(2014年7月9日)

 統合医療は必ずしも確定した概念はありませんが、簡単に言うと、近代西洋医学による医療とそれ以外の医療、例えば針治療、お灸、整体などの伝統医療などの医療とを統合し、両者の特性を最大限に活かし、人それぞれに最も適した医療を提供しょうとする医療のことです。

 日本は、明治維新以来、近代化の中で西洋医学を積極的に取り入れました。特に戦争における外科手術の必要性も相まって、西洋医学は日本の医療の中心的な役割を担い、発展してきました。今や、世界最高水準にも達しています。

 しかし、「対症療法」を中心とした近代西洋医学では治療にも限界があります。近代西洋医学による治療ができなかった病気が、伝統医療やその他の療法で治ったという報告も数多くあります。また、近代西洋医学での治療効果の促進や治療後の回復促進、病気予防に効果があるということも皆さんが感じるところと思います。

 勿論、近代西洋医学を制限、否定するのではありません。今後も益々発展させていく必要があります。しかし、他方で近代西洋医学による医療も積極的に取り入れ、両者を統合して、両者の特性を最大限に生かしていくことが肝要です。

 健康でありたい、幸せでありたいというのは、人の最大の願いです。その様な願いの中で培われ今も残っている伝統医療や健康法などを、国は積極的に調査をし、研究をしていかなければなりません。その際に大事なことは、近代西洋医学による科学的証明ができないという理由で排除してはならないということです。近代西洋医学では認められてこなかった医療を統合しようとするものですから、それを超え、あるいはそれと別の方法による治療効果の評価をしなければならないと思います。

 この様に、健康長寿日本の実現の為に、より高次元の医療を目指すこと、健康長寿と医療費の節減を両立させることは、これからの日本にとって極めて重要な国家プロジェクトと言えます。今まで近代西洋医学中心に進めてきた厚生労働行政からすると、医療に対する方針の大転換ですから、行政に要求して答えがでるような問題ではなく、正に政治主導で実現していく課題であると思います。

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