私の考え

政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会(倫選特)の委員長の立場として思うこと② 
-国家統治システムの崩壊を阻止する「0増5減」緊急是正区割り法案-(2013年5月20日)

 4月19日に私が委員長を務める倫選特でいわゆる「0増5減」の区割り法案を野党の多くが欠席する中職権で採決し、衆議院本会議でも一部野党が欠席したまま可決されました。

 昨年の総選挙は、解散の日にいわゆる「緊急是正法」は成立しましたがそれに伴う区割りの変更は間に合わず、2年前に最高裁から違憲状態と判断された状況を解消できないまま選挙を行った結果、各地の高等裁判所において違憲等の厳しい判決が出されました。その後出された区割り審議会の「緊急是正法」の区割り勧告に基づく法案を今国会中に成立させなければ、秋ないし暮れにも予想される最高裁判決で違憲の判決が出る可能性は極めて高く、その結果衆議院議員は全員「違憲国会議員」となり、内閣総理大臣の指名、予算や法案の議決、最高裁判所の裁判官の指名など全てが無効と成りかねず一歩誤まると国家統治システム崩壊の危機を招かざるを得ません。

 私は、倫選特委員長としてかかる重大な責任を負っていましたので、与党が参議院で過半数を持っていない「ねじれ国会」の状況を踏まえ、憲法59条第2項により衆議院の3分の2の多数で再議決してでも成立を期すため、再議決に必要な60日間を考慮し、敢えて職権で採決を行う判断をしました。本来選挙制度については与野党でよく話し合い協力を求めながら運営に努めなければならないところ、今後はこのようなことが無いようにしたいものだと思います。

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