|
田中鹿大学長、国立大学の独立行政法人化に強く反対
−鹿児島は衰退すると強調!−
去る3月2日(木)、自民党教育改革実施本部・高等教育研究グループ(麻生太郎座長)は21世紀の望ましい大学像について意見を交わした。同本部長代理の保岡代議士はその中心メンバー。席上、地方の国立大学を代表して田中鹿児島大学学長は、意見を表明した。
田中学長の発言趣旨は次の通りであった。
1:全国の学生数の国立対私立の割合は、20%対77%であるが鹿児島県の場合は、国立大学生数の割合は56%となっており、また地域の多様なニーズに応えるために多面的な学科をそろえなければならない。
2:地方の国立大学の眼目は、つねに身近なものとの接触から何かを引き出す、堅実な技術力の養成にある。鹿児島県で言えば、"薩摩黒豚"は30年におよぶ地道な品種改良の結果である。
3:地方の国立大学は地域に密着し、戦後の日本の技術的・産業的・社会的基盤を草の根で支えてきた。
4:国立大学の独立行政法人化は、基本的に市場競争原理を前提にしており、国家レベルの大きな産業も少なく、財政的基盤の弱い地方の国立大学には適さない。また、地方の国立大学は採算性が取れない研究が多く、その評価は難しい。
保岡代議士の発言趣旨は次の通り。
1:大学改革の目的は、大学の自主性や自由度を高め、大学の裁量の幅を広げ、その個性を活かすということであって、他の行政機関と並列で、効率化や公務員削減の対象とするべきではない。
2:我々政治家が高等教育に対する政策を考えて工夫し、国の具体的な方向性を決めなければ、特に地方の国立大学は不安になるのは当然だ。
3:競争原理に馴染む部分と馴染まない部分と明確に区別し、お互いあるべき高等教育機関の姿を議論し、障害を取り除かなくてはならない。
その後、白熱した討論が続いたが、会の最後に田中学長は「政治家の方々に、地方の国立大学の本当の姿を伝え、その立場を多少なりとも理解していただけたことは嬉しく思う。また、このような機会をもっと設けていただけるとありがたい。」とした。
この高等教育研究グループは今後も、大学関係者等からヒアリングをつづけ、議論を深めていく予定だ。
国立大学の独立行政法人化問題は、平成15年までに結論を得ることとなっているが、教育・研究機関に短絡的に競争原理を導入することが無謀なことは明白である。特に、地方の国立大学の役割や財政面の政策などを真剣に議論し、高等教育関係予算の大幅な拡大等、国の骨太の方向性を明らかにすることが先決だ。21世紀の鹿児島にとって極めて重大な問題なので、全力を尽くし関係者と共に努力する覚悟だ。
|