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担保不動産の証券化
産経新聞平成10年3月10日朝刊(火)掲載 この人に聞く 
自民・金融システム安定化対策小委員長
保岡興治氏
やすおか・おきはる

昭和39年中大法卒、司法試験合格。47年衆院選で初当選。八期。大蔵政務次官などを歴任。自民党政調総括副会長。58歳。

市場が根づく環境を整備

 政府・自民党が公的資金を活用し、担保不動産の証券化商品を買い取る構想を進めている。金融システムの安定化を目指し、銀行が発行する劣後債なども公的資金で購入することも近く決定する。自民党の保岡興治政務調査会総括副会長(金融システム安定化対策小委員長)に聞いた。

(井伊重之)

 

--特定目的会社(SPC)が不動産などを証券化し売買する準備が進んでいる。

 「大蔵省が提出するSPC関連法案で、基本的なスキームを策定するが、日本には債権を証券化して売買する市場がない。そこで市場が根付く環境を新たに整備する必要がある。このため、日本版J−REIT(不動産投資信託)と名付け、党内などで検討を始めている」

 

--SPCが買い取る不動産は、どのように価格を決めるのか。

 「民間銀行を中心に出資する評価機関が適正・公正に価格を決める。この機関には不動産鑑定士や公認会計士らも参画してもらう。これまでの無税償却などは、一軒当たり三カ月から六カ月の時間がかかっていたが、この評価機関が定めた価格がそのまま取引価格に反映される仕組みにしたい」

--債権を譲渡した後、実際にはどのように債権を回収するのか。

 「サービスサー(債権回収機関)法を議員立法でまとめたい。これまでは弁護士が独占していた分野の仕事で、民間はできなかった。弁護士会などの協力を得ながら、これも民間金融機関などで設立する。実際の債権回収は各銀行の仕事として残るが、これをまとめて専門的な人たちに回収をお願いする。住宅金融債権管理機構(住管機構)は、住宅金融専門会社の債権回収が目的だが、新たに設立する機関は、これの民間版となる」

 

--買い上げ機関の内容は。

 「金融機関や政府系金融機関が出資する形での設立を検討している。不良債権を束ねると、平均してどれくらいの債権が回収できるかが統計的にはじき出せる。その底堅いところで政府が一定の保証をしたり、買い上げ機関を入れて出資分だけ担保するということも考えられる」

 

--公的資金はどのように投入するのか。

 「一般投資家が実際に購入してくれればよいが、評価機関やサービスサーが機能すれば、(債権の)格付けができる。これを参考にして償還が見込める範囲で郵便貯金や簡易保険資金が購入すれば、市場もついてくるだろう」

 

--証券化された土地の塩漬けは起きないか。

 「市場が動き出せば、買い上げ機関などは必要ない。米国では不動産証券化の市場があり、現在では大きな市場に成長しているので、私たちは取り組みたいと思っている」

 

--銀行への公的資金投入では「横並び」との批判も出ている。

 「その線引きは難しいが、つぶれても金融システム不安につながらないと判断された銀行には、公的資金は投入されない。また、貸し渋り対策にもなるし、不良債権の処理に向けたテコとしても役立つ。これは個別行の救済ではなく、淘汰(とうた)されるべき銀行は、自然に淘汰される」