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| 法律概要(金融再生関連5法他) |
| 債権管理回収業に関する特別措置法案(保岡興治君外3名提出、衆法第1号)の概要
本案は、金融機関等が有する不良債権の実質的処理の促進を図り、国民経済の健全な発展に資するため、弁護士法の特例として債権回収会社が業として特定金銭債権の管理及び回収を行う制度を設けるとともに、債権回収会社について必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営の確保を図ろうとするもので、その主な内容は、次のとおりである。
一.債権管理回収業とは、弁護士以外の者が委託を受けて法律事件に関する法律事務である、金融機関、農水産業協同組合、保険会社等の有する貸付債権等特定金銭債権の管理及び回収を行う営業又は他人から譲り受けて訴訟、調停、和解その他の手段によって右特定金銭債権の管理及び回収を行う営業をいうこととし、この債権管理回収業は法務大臣の許可を受けた株式会社でなければ営むことができないものとすること。 なお、許可の基準として、その株式会社は、資本の額が5億円以上であること、取締役のうちに弁護士がいること、暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのないこと等を要するものとすること。
二.債権回収会社の業務に従事する者は、その業務を行うに当たり、人を威迫し又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならないこと、また、債権回収会社は、債権管理回収業に係る債権の管理又は回収を他の債権回収会社及び弁護士以外の者に委託してはならないこと等業務に関する規制をするものとすること。
金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案(保岡興治君外3名提出、衆法第2号)の概要
本案は、金融機関等が有する回収が困難となった債権であって不動産を担保とするものの処理が喫緊の課題となっている状況にかんがみ、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化を図るための臨時の措置を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一.根抵当権の担保すべき元本の確定 金融機関等が、その有する根抵当権の担保すべき債権の全部を特定債権回収機関に売却しようとする場合において、債務者に対し、その旨及び根抵当権の担保すべき元本を新たに発生させる意思を有しない旨を書面により通知したときは、民法の定める元本の確定事由に該当するものとみなすものとすること。ただし、根抵当権の担保すべき元本の確定 すべき期日の定めのあるときは、この限りでないものとすること。
二 登記の申請の特例 一の規定により、根抵当権の担保すべき元本が確定した場合の登記については、その通知に係る特定債権回収機関に対する根抵当権の移転登記とともに申請する場合に限り、所要の書面を添付して、根抵当権者のみで申請することができるものとすること。
三 失効 この法律は、平成13年3月31日限り、その効力を失うものとすること。
四.施行期日 この法律は、公布の日から起算して1月を経過した日から施行するものとすること。
競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案(保岡興治君外4名提出、衆法第3号)の概要
本案は、不動産競売手続において不当な執行妨害行為により手続の遅延が生じている等の現状にかんがみ、手続のより円滑かつ適正な遂行を図る等のため必要な措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一.原裁判所による執行抗告の却下 執行抗告が民事執行の手続を不当に遅延させることを目的としてされたものであるときは、原裁判所は、執行抗告を却下しなければならないものとすること。
二.競売物件に対する執行官・評価人の調査権限の拡充 1.執行官等は、不動産の現況調査等のため必要があ る場合には、市町村等に対し、不動産に対して課 される固定資産税に関して保有する図面その他の 資料の写し等の交付を請求することができるもの とすること。 2.執行官等は、電気、ガス又は水道水の供給等を行 う公益事業を営む法人に対し、必要な事項の報告 を求めることができるものとすること。
三.買受けの申出をした差押債権者のための保全処分 売却手続を実施しても買受けの申出がなかった場合において、買受人に対抗できない占有者が、売却を困難にする行為をし、又はその行為をするおそれがあるときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、担保を立てさせて、その不動産を執行官又は差押債権者に保管させるべきことを命ずることができるものとすること。
四.売却の見込みのない場合の措置 売却の見込みのない場合の強制競売の手続の停止、取消し等の制度を設けること。
五.代金納付による登記の嘱託の特例 買受人の銀行ローン活用のための移転登記の嘱託方法を改善すること。
六.配当期日における送達方法の合理化 債権の届出をしていない債権者に対する配当期日の呼出状の送達は、事件の記録に表れた住所等においてすれば足りるものとすること。
七.施行期日 この法律は、公布の日から起算して2月を経過した日から施行するものとすること。
特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案(保岡興治君外4名提出、衆法第4号)の概要
本案は、預金保険機構並びにその関与の下に不良債権の処理を進めている住宅金融債権管理機構及び整理回収銀行の申立てに係る競売手続について、その円滑な実施に資するため現況調査及び評価等に関し民事執行法の特例を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一.現況調査の特例 執行裁判所は、特定競売手続について、預金保険機構等から不動産の現況を明らかにする書面の提出を受けた場合において、相当と認めるときは、現況調査を命じないことができるものとすること。
二.評価等の特例 執行裁判所は、特定競売手続について、預金保険機構等から不動産の評価を記載した書面の提出を受けた場合において、相当と認めるときは、評価人を選任することなく、その書面に記載された評価に基づいて最低売却価額を定めることができるものとすること。
三.失効 この法律は、施行の日から起算して10年を経過した日にその効力を失うものとすること。
四.施行期日 この法律は、公布の日から起算して2月を経過した日から施行するものとすること。
信用保証協会法等の一部を改正する法律案(内閣提出第9号)の概要
一.中小企業等に係る信用の収縮の防止等に関する事項 1.地方公共団体に対する補助 現下の厳しい金融の状況にかんがみ、中小企業 者等に係る信用の収縮を防止し、中小企業の金融 の円滑化を図るため、政府は、速やかに、地方公 共団体が信用保証協会に対して行う財政援助に必 要な経費の一部に充てるため、政令で定めるとこ ろにより、当該地方公共団体に対し、三千億円を 補助することとする。 2.追加出資の特例 現下の厳しい金融の状況にかんがみ、中小企業 者等に係る信用の収縮を防止し、中小企業の金融 の円滑化を図るため、政府は、速やかに、中小企 業信用保険準備基金及び融資基金に充てるため、 中小企業信用保険公庫(以下「公庫」という。)に一 兆円を追加して出資することとする。この場合に おいて、政府は、それぞれの基金に充てるべき金 額を示すこととする。
二.破綻金融機関の融資先の金融の維持に関する事項 1.金融破綻関連保険 現下の厳しい金融の状況にかんがみ、破綻した金融機関の融資先の金融の維持を図るため、公庫は、当分の間、事業年度の半期ごとに、信用保証協会を相手方として、当該信用保証協会が特定企業者(中小企業者及び資本の額又は出資の総額が一億円を超え、五憶円以下の会社であって特定事業を行うものをいう。以下同じ。)の特定債務(破綻金融機関(預金保険法第二条第四項に規定する金融機関をいう。)からの借入れ(手形の割引又は給付を受けることを含む。)による債務であって、金融再生委員会規則で定める基準に基づき、債務者の業務及び財産の状況並びに当該債務に係る担保の状況等に照らしその回収について通常の度合を超える危険を含むと認められる債権に係るもの(当該債務 に係る債権が他の金融機関に譲渡された場合における当該債権を含む。)をいう。以下同じ。)又は特定債務の借換えに係る債務の保証をすることにより、特定企業者一人についての保険金額の合計額が三億円を超えることができない保険(以下「金融破綻関連保険」という。)について、保証をした借入金の額の総額が一手の金額に達するまで、その保証につき、公庫と当該信用保証協会との間に保険関係が成立する旨を定める契約を締結することができることとする。 の保険関係においては、保険価格に相当する金額を保険金額とすることとする。 公庫と金融破綻関連保険の契約を締結し、かつ、普通保険、公害防止保険、エネルギー対策保険、海外投資関係保険又は新事業開拓保険の契約を締結している信用保証協会が垂フ債務の保証(無担保保険又は特別小口保険の保険関係が成立するものを除く。)をした場合において、当該保証をした借入金の額が三億円(当該債務者たる特定事業者について既に金融破綻関連保険が成立している場合にあっては、三億円から当該保険関係における保険価格の合計額を控除した残額)を超えないときは、当該保証については、金融破綻関連保険の保険関係が成立することとする。 2.金融破綻関連保険業務 現下の厳しい金融の状況にかんがみ、破綻した金融機関の融資先の金融の維持を図るため、公庫は、当分の間、その業務として金融機関破綻関連保険を行うこととする。 公庫は、の金融機関破綻関連保険の業務(以下「金融破綻関連保険」という。)について、当該業務の開始の際、業務の方法を定め、主務大臣の認可を受けなければならないこととする。 公庫は、金融破綻関連保険の事業に関して、金融破綻関連保険準備基金(以下「準備基金」という。)を設け、の政府から出資された金額をもってこれに充てることとする。 政府は、速やかに、準備基金に充てるため、公庫に五兆円を下回らない金額を追加して出資することとする。 公庫は、金融破綻関連保険業務に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならないこととする。
三.施行期日等 1.この法律は、公布の日から施行することとする。 2.金融破綻関連保険については、平成十三年三月三 十一日までの間に、この法律の施行後における金 融の状況を踏まえ、これを廃止することを含め、 その在り方について必要な見直しが行われるべき ことする。
金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律案(保岡興治君外3名提出、衆法第15号)の概要
本案は、我が国の金融システムに対する内外の信頼を回復することが現下の喫緊の課題であることにかんがみ、金融機関等の資本の増強に関する緊急措置の制度を設けること等により我が国の金融機能の早期健全化を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一.金融機能の早期健全化のために講ずる施策の原則 金融再生委員会がこの法律に基づいて講ずる施策の原則を定めることとする。
二.金融機関等の資本の増強に関する緊急措置 1.株式等の引受け等の承認等 預金保険機構(以下「機構」という。)は、株式等の引受け等を協定銀行に委託することができることとする。 株式等の発行等を行おうとする金融機関等は、協定銀行に対し、平成十三年三月三十一日までにその申込みを行うとともに、機構に対し、金融再生委員会の承認を求めるよう申請しなければならないこととする。 2.経営の健全化のための計画 1の の申請を行った金融機関等は、金融再生委員会に対し、経営の合理化、責任ある経営体制の確立、財務内容の健全性及び業務の健全かつ適切な運営の確保のための方策等を定めた経営の健全化計画を、提出しなければならないこととする。 3.議決権のある株式の引受け 金融再生委員会は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、議決権のある株式の引受けの承認をすることができることとする。 協定銀行による株式の引受けによりその資本の増強が図られなければ、信用秩序の維持又は企業活動若しくは雇用の状況に甚大な影響を及ぼす等経済の円滑な運営に極めて重大な支障が生ずるおそれがあること。 に掲げる事態を避けるために、議決権のある株式の引受けが不可欠であること。 債務超過等当該銀行の存続が極めて困難であると認められる場合でなく、かつ、取得株式等の処分をすることが著しく困難であると認められる場合でないこと。 当該銀行の自己資本の充実の状況に係る区分が著しい過少資本の状況にあるものとして金融再生委員会規則で定める区分に該当すること。 経営の健全化計画の確実な履行等を通じて、金融再生委員会が定めて公表する基準に従った経営の合理化、経営責任の明確化、株主責任の明確化等の実行が見込まれること。 4.議決権のある株式の引受け以外の株式等の引受け 等 金融再生委員会は、3の 、 及び の要件のすべてに該当する場合に限り、議決権のある株式以外の株式等の引受け等の承認をすることができることとする。この場合において、3の の基準は、自己資本の充実の状況に係る区分として金融再生委員会規則で定める区分その他の要素を勘案して定めることとする。 5.合併等を行う金融機関等に係る株式等の引受け等 金融再生委員会は、合併等により自己資本の充実の状況が悪化したこと等の要件に該当する場合に限り、合併等を行う金融機関等に係る株式等の引受け等の承認をすることができることとする。 6.資本の減少等を行う場合の特例 申請をした銀行が、資本の減少を行う場合の、商法上の債権者保護の手続の特例を設けることとする。 7.協定の締結等 機構は、預金保険法に規定する協定銀行と、株式等の引受け等及び取得株式等の処分等の業務の委託に関する協定を締結しなければならないこととする。 機構は、協定において、協定銀行が、株式の発行に係る銀行が協定銀行の子会社となったときは、原則として一年以内に当該銀行が子会社でなくなるよう株式の譲渡等の処分を行うことその他の事項を実施すべき旨を定めなければならないこととする。
三.預金保険機構の業務の特例等 1.機構は、協定銀行に対し、資金の貸付け等を行う ことができることとし、金融機能の早期健全化の ための業務については、金融機能早期健全化勘定 を設けて整理することとする。 2.機構は、金融機能早期健全化業務を行うために必 要があると認めるときは、政令で定める金額の範 囲内において、日本銀行等から資金の借入れ等を することができることとし、政府は、国会の議決 を経た金額の範囲内において借入れ等に係る債務 の保証をすることができることとする。
四.施行期日等 1.この法律は、公布の日から起算して十日を超えな い範囲内において政令で定める日から施行するこ ととする。 2.平成十年度において政府が三の2の債務の保証を する場合及び金融機能の再生のための緊急措置に 関する法律に基づいて債務の保証をする場合に は、十兆円の範囲内において、これをすることが できることとする。 |