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| │ 議員立法│ 憲法問題│ 企業法制│ 定期借家権│ 司法改革│ 教育改革│ 金融&土地債券流動化│ |
| 【政治主導による日本再生】 |
| 新しい国づくりが求められるとき 世界的な規模で生じている経済・文化等社会全般にわたってのボーダレスの潮流の下、国際社会は、21世紀に向って今まさに激しい流動化状況にあり、自由と民主主義・市場原理という一つにつながる理念で地球が包まれる壮大なドラマの幕開けを迎えようとしている。我が国においても、経済の急激な変化や、世界に類例を見ない少子高齢化社会、高度情報化社会が急速に進行している。また、バブル崩壊後の後遺症に苦しむ我が国経済は、戦後の経済における最大の苦境のまっ只中に立たされている。まさに国家歴史のかかった危機管理の発想で対応すべき課題が次々と押し寄せている。 明治以来、我が国は官主導の政治を行ってきた。優秀とされる役人が立案し、国民や政治がそれに注文をつけるというやり方だ。これまでは、欧米をモデルにして追いつき追い越すという明確な国家目標や基本政策があり、そこでは官主導の政策立案・決定システムが有効に機能してきた。 しかし、今や世界中が情報化時代、大競争時代に突入し、まったく新しい原理原則と秩序が求められている。日本もまた、明治維新・第二次世界大戦に続く歴史的大転換期を迎えた。目前に迫った21世紀は、今日の日本の発展と繁栄を支えてきた国家の美徳とする「和」の精神を、時代にふさわしい日本の歴史と伝統を大切にした「調和」に置き換え、新しい時代と歴史を切り拓く創造力豊かな活力と強靭さを強く求めている。また我が国は、国際国家として「透明なルール」と「自己責任」の原理の下に法治の行き届いた社会として世界と調和し、信頼を得ることが不可欠である。そこで私は、97年の憲法施行50周年を期し、当時の山崎政調会長の下で党に司法制度特別調査会を設け、現在、国づくりの基本として広く国民のニーズに応えうる司法制度改革を推進しているところである。また橋本内閣の6つ目の改革となった「教育改革」を新国家日本の建設と表裏一体の最大のテーマと位置づけ、97年秋に党の教育改革推進会議のメンバーとしてこの大転換期を乗り切る創造的で心豊かな活力をもった国民を育成するために「教育改革推進の提言」を政治主導でまとめた。今後は官主導ではなく、国民の多様で自由な発想や創意工夫を大切にし、これを国づくりの力としなければならない。 新たなる政策樹立システムの構築 官主導システムの弊害は、官僚はもともと国民に対し直接的に責任を取るという存在ではないため、基本的にリスクを伴う判断はできないことにある。だから、官僚個々人は別としても官僚システム全体を見ると、先見性や中長期的ビジョンに弱く、問題が行き詰まってからしか対処できない。しかも迅速性に欠ける。また、縦割り行政の限界で、自分のテリトリーには詳しいが、それ以外の分野には目が届かず、全体的状況判断や総合調整能力を期待することはできない。これでは歴史的大転換期に対応するのにまことにふさわしくない。また、政治家の側に官僚の専門性や技術的に優れている点や情報等を十分に活用するセンスと力が問われることはいうまでもない。 具体的には、自民党も国づくりの指針となるような政策体系や基本政策は議員が自分たちで案を作る。法律案でいえば官僚に決して丸投げしない。基本的な法律は閣法から、議員立法を中心とするあり方に変えるべきである。96年に、議員立法で「民事執行法」の改正、97年の通常国会では、同じく基本法である「商法」を改正し、ストックオプション制度の一般化と利益による自己株式消却の手続きの緩和を実現した。現在は新しい時代のライフスタイルに合わせた住宅・土地政策の実現のため「定期借家」制度の創設や新しい時代に対応する企業のあり方を決める商法改正等の成立に向け全力をあげて取り組んでいる。また97年秋以降の金融危機にあたりここでも政治主導で実質議員立法ともいうべき金融安定化二法や「金融再生トータルプラン」の策定に沿った議員立法四法を含む金融再生関連六法を提案した。 21世紀に向けて国民の一体感を醸成し、我が国の再興を図るには、国民の創意工夫を積極的に活かしつつ、従来の官僚の能力・情報をも十分に活用し、国民の代表たる議員が、国家の基本的枠組みを明確に示した上で、適切かつ迅速に国民のニーズをとらえ、これを実現可能な政策に転換するための新たな政策樹立システムの構築が、今まさに強く求められている。そのためにも、国民の代表である国会議員に与えられている立法権限を、「議員立法」というかたちで、より積極的に行使し、これを活性化させていくべきである。 金融再編・再生への道筋 さて、将来の日本経済の健全な発展への道筋を示すことは我々政治家に現在求められる最大の責務と考え、特に金融は経済のいわば動脈をなす部分であるため、短期間のうちに必要かつ大胆な政策を打ち出してきた。 そもそも我が国は、1200兆円に上る個人金融資産を有し、世界一の債権国であり、製造業において証明されているように技術力も高く、経営者や従業員の力もけっして欧米諸国に引けをとらない。こうした我が国は、金融が発展する土壌としては世界的に見ても極めて恵まれた状況にある。 ところが長期間にわたる護送船団行政によって、我が国金融機関は、その土壌を生かすための進取の気鋭を失なってしまった。自己責任で果敢にリスクをとり経営展開していくという企業家精神とは対極的な横並び意識が経営者間に蔓延し、個性のない金融機関が非効率かつ大量に発生してしまった。我々は、この水膨れして機能不全に陥った我が国金融を筋肉質に変え、その内部から変化を生み出しうるものとしなければならない。 要は、市場原理を活用しつつ金融再編・再生を進めていくことであるが、金融システム再生のためには、必要な不良債権の公的な購入や資本充実など、病人に対する医者の処置に似た公的介入を躊躇している時期や場合ではないことも事実だ。日本の金融再生の道筋をつけるためには、積極的な政策的イニシアチブがどうしても必要であり、危機管理的な対応として果断に実行する決意が必要である。 我が国の経済を立て直し、再活性化させるためには、金融機関の抱える不良債権の処理は喫緊の課題である。不良債権問題の実質処理を進め、金融機関に塩漬けになっている担保不動産を開放し、土地の有効利用、都市の再開発の促進など、21世紀に向けての都市再構築を視野に入れた総合戦略としての「土地・債権流動化トータルプラン」を策定し、平成10年度補正予算や第143回国会に提出した金融再生関連6法案に具体化している。不良債権処理という一つの目標の達成のために、多くの政策群を戦略的な体系でごく短期間で作成し示した点は、今までの日本の政治では見られなかったものである。その結果、このトータルプランにクリントン大統領やグリーンスパンFRB議長等米金融関係者が強い関心を示すこととなった。 いずれにせよこれからは、市場原理が働き、生き残りをかけた金融機関自身の真剣な努力の中から、おのずから再編も進む。しかし留意すべき点は、昨今のヘッジファンド・風説の流布に代表されるように、市場も方向を間違うこともあり、暴力的になる。市場の合理性を大切にしつつも、それに対する政府や政治の防衛手段は極めて重要である。特に金融信用秩序は、金融システムに対する国民の信頼感によって支えられており、一旦崩れると脆く、回復に大変なコストを要する。メガバンクについて受身的な対応にならぬようその危機管理は特に重要視すべきである。 |