平成l0年7月2日
自由民主党
金融再生トータルプラン推進特別調査会
1 大きく動きだしたトータルプラン
わが国経済を建て直し、再活性化させるためには、金融システムの安定化・再生が何よりも重要である。金融機関には、本格的な再編、合理化等によるさらなる構造改革が求められているが、同時に不良債権の実態解明、そしてその流動化や担保不動産の有効利用による不良債権の実質的処理の促進を進めるとともに、停滞している不動産の取引の活性化を図る一体的な政策を示すことが必要である。
このため、政府・与党は、経済対策の重要な柱として、本年4月23日に、不良債権の実態解明や流動化から担保不動産の有効利用や不動産取引の活性化までの総合戦略である「土地・債権流動化トータルプラン」をとりまとめ、日本経済再生のための第一歩を踏み出している。今後はこの土地・債権流動化トータルプランに盛り込まれた項目をいかに早急に具体化、法律化するかが重要であり、政府・与党が一体となって、強力にフォローアップを行っていく。
また、6月22日に発足した金融監督庁のもと、従来の護送船団といわれた行政に決別し、トータルプランの実効性を確保する前提条件として自己査定、外部監査、検査・監督、早期是正措置等明確なルールと自己責任に基づく公正で透明性の高い金融行政が整備された。これにより、不良債権の処理が促進され、市場規律に基づく淘汰など、金融機関の経営の健全化が推進される。
さらに、不良債権の処理の促進に伴い、金融機関の経営悪化、破綻や企業への貸し渋り等、経済への影響が予想されるが、ブリッジバンクの創設等セーフティネットを含む金融システムの安定化対策に万全を期すことにより、預金者、健全な借り手の保護を図りつつ、早急に国際的競争力のある金融再生が図られることとなる。
U 進展した具体的な内容
トータルプランにおいては、不良債権の実態解明や流動化から担保不動産の有効利用や不動産取引の活性化までの総合戦略がとりまとめられ、タイムスケジュールも示された。
タイムスケジュールにおいては、補正予算など緊急に対応する措置から、次期国会において新規立法・法律改正を行うもの、倒産法制の抜本的改正のような中期的な措置まで、幅広く網羅されており、今回、具体的対応の第一弾として、タイムスケジュールに即して、補正予算に基づく措置、新規立法などについて明示する。
1 債権債務関係の処理手続の強化
担保権等の輻輳した権利関係を整序して債権債務関係処理を行う新たな仕組みの創設や各種手続きの迅速化・円滑化など、不良債権等の実質的な処理を促進するための条件整備を推進。
(1)臨時不動産関係権利調整委員会(仮称)の設置
- 【次期国会に法案提出】
- 6月1日に、臨時不動産関係権利調整委員会(仮称)設立準備室を設置し、法律案の骨子をとりまとめ
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- 【委員会の業務の概要】
- 何重にも設定されている抵当権の調整など複雑に絡み合う債権債務関係を整理
- 債権者等の合意の下、将来の事業活動の収益を期侍した合理的な再建計画を策定し、一部の債権放棄と債務免除を実施することにより、企業の再建を図るあっせん・調停等を推進
- 事業規模の大小や業種を問わず、不良債権処理を速やかに実施
(2)債権放棄に係る税務上の取扱いの明確化
- 【6月8日に公表】
- 合理的な再建計画に基づく債権放棄について、損金に算入を認める取扱いを明確化するため、法人税基本通達を改正し、6月8日に公表
- 合理的な再建計画に基づく債権放棄について、損金算入が認められる
- 整理再建の対象の子会社等には、取引先、役員派遺先会社、資金貸付先会社が含まれる
- 利害の対立する複数の支援者の合意による再建計画は、「合理的な再建計画」として扱う
- (3)適正評価手続(デュー・デリジェンス)の確立
- 【今夏までにとりまとめ】
- デュー・デリジェンス導入のため、収益還元手法を活用する上での留意事項をとりまとめ
- 不動産鑑定士の評価に当たって、具体的な手法、早期売却希望の際の減価方法、制約条件地(狭小、接道状況等)の減価方法等について、検討を行い、夏頃までにとりまとめ
(4)サービサー法(仮称)の制定【次期国会に法案提出】
- サービサーワーキングチームにおいて、関係省庁、関係団体と法律案の検討を行い、法律案の骨子をとりまとめ
- 【サービサー法案の骨子】
- 債権の管理、回収を受託することにより、不良債権の迅速・円滑な処理を推進
- 事業を営むに当たり、法務大臣の許可を必要とするとともに、取締役に1名以上の弁護士会の推薦を受けたものの選任を義務付け
- 暴力団の排除等の観点から、警察庁との協力をはじめ、欠格事項、業務についての各種規制、監督、罰則などを規定
(5)迅速・円滑化のための競売手続の見直し【次期国会に法案提出】
- 競売制度改善ワーキングチームにおいて、競売制度の見直しを行い、法律案の骨子、運用改善に関する事項をとりまとめ
- 【臨時国会で法整備を行う事項】
- 競売代金支払における銀行ローンの活用のため、制度改善を実施
- 住管機構、整理回収銀行の資料活用、租税滞納処分との調整、配当手続の改善等による所要日数の短縮
- 売却見込みのない物件についての打ち切り制度を創設
- 手続遅延のための執行抗告(抗告屋)の排除、占有屋排除のための抵当権者(自己競落者)ヘの物件の仮引渡、競売物件に対する執行官の職務権限の強化など、執行妨害に対する厳正な措置を創設
- 【運用改善を図る事項】
- インターネットなどを活用し、情報開示を促進
- 執行官の職務強化、増員
- 【制度改善による期間短縮】
- 住管機構等の調査資料等の活用3〜4ケ月短縮
- 租税滞納処分との調整手続の簡素化1〜2ケ月短縮
- 配当期日における送達方法の合理化1ケ月短縮
- 濫用的な執行抗告の排除3ケ月短縮
(6)金融機関の自己競落会杜の機能拡充【6月8日に実施】
- 金融機関の自己競落会社について、自己競落の価格要件を撤廃するとともに、民間都市開発推進機構等との連携を強化し、積極的な流動化・有効利用を促進
- 担保不動産の自己競落に関し、最低売却価格要件を撤廃
- 民間都市開発推進機構等との連携を強化し、土地の流動化、有効利用を積極的に推進
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2
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不良債権の流動化・実質的処理と虫食い地等を活用した再開発の積極的推進
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- 金融機能の安定から再生、資産デフレの是正を図るためには、相当規模の土地・債権を大きく動かすことが必要であり、新たな仕組みを活用して、積極的に不良債権をバランスシートから抹消し、土地流動化による都市の再構築を図る。
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(1)共同債権買取機構の拡充【今年7月にも買取再開】
- 共同債権買取機構については、本年7月にも不良債権買取業務を再開するとともに(2001年まで)、買取債権の処理期間をl年程度に短縮して、不良債権の早期の実質処理を推進(買取目標額3年間で10兆円)
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- 【共同債権買取機構の拡充の概要】
- 買取要件の緩和や客観的な適正評価手続(デューデリジェンス)による価格決定によって、自己責任に基づく不良債権の買切りを推進(適正評価判定委員会の設置、ノンリコースローンの活用)
- 不動産情報の公開
- 自己競落会社の活用による競売の促進や任意売却を推進
- 住宅・都市整備公団、民間都市開発推進機構、臨時不動産関係権利調整委員会(仮称)等との連携の強化や証券化・バルクセール等の活用による処理手段の多様化により、実質的処理を促進(買取後の処理期間をl年程度に設定)
- 不良債権流通市場の育成
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(2)
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資産担保証券(ABS)の流通市場の整備【今年9月のSPC法施行に向け実施】
特定目的会社(SPC)法の施行に向け、資産担保証券(ABS)の流通のための準備を進めるとともに、不動産投資市場の整備を推進
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- 特定目的会社(SPC)法の施行に向け、資産担保証券(ABS)について、資産流動化計画の具体化、証券取引法の情報開示など所要の準備を推進
- 不動産投資市場整備のため、投資家が株式、債権等と比較できる指標である「不動産インデックス」や不動産に裏付けられた資産担保証券(ABS)の情報開示(ディスクロージャー)の基準について検討
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(3)
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官民共同による土地有効利用事業の推進のための住宅・都市整備公団の活用
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- 【補正予算成立後対応済(6/22設置)】
- 住宅・都市整備公団に「土地有効利用事業推進本部」を設置し、官民共同した再開発、まちづくりを強力に推進
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- 【土地有効利用事業推進本部の創設】
- 現状では有効利用できない低未利用地について、住宅・都市整備公団が土地を取得し、有効・高度利用のための土地の整形・集約化、基盤整備等を実施
- 併せて、外部の専門家等による「土地評価等審査会」を設置し、土地取得に当たり、価格の客観的妥当性を確保(デュー・デリジェンスの導入)
- 事業実施に当たっては、基盤整備等を行った上で民間に売却する方法を中心に実施
【住宅・都市整備公団関連の補正予算概要】
- 土地取得のための臨時の資金3,000億円(補正による出資金2,000億円、財政投融資1,000億円)を確保
- 特定再開発事業(土地区画整理事業)の面積要件を緩和
【土地有効利用事業による経済効果】
- 3,000億円の土地取得資金の活用により、約2兆円の建築投資を誘発(試算)
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(4)
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民間都市開発推進機構を活用した都市開発プロモート体制の構築
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【補正予算成立後対応済(6/22設置)】
- 民間都市開発推進機構に「再開発・土地有効利用支援センター」を設置し、不動産関係情報の提供、助言、調整等必要な支援を実施
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【再開発・土地有効利用支援センターの業務の概要】
- 関係各機関との不動産情報の収集・提供、相談、調整、事業化推進などの業務を実施
- 併せて、専門家による支援体制を整備し、土地の有効利用のための調査・助言・計画の提案を実施
- さらに、国、地方公共団体、関係機関、民間事業者からなる「再開発・土地有効利用支援連絡協議会」を設置し、民間プロジェクトに係る関係行政機関との調整を実施
- 【民間都市開発推進機構関連の補正予算概要】
- 補正予算による土地取得業務の取得枠の追加5,000億円
- 参加業務の事業費の追加387億円
- 【本事業による経済効果】
- 支援センターの活動により、約1兆8,000億円の年間建築投資を誘発(試算)
(5)都市の再構築のための公的土地需要の創出【補正予算で措置】
- 成立した補正予算に基づき、公共用地の先行取得などの公的土地取得を積極的に推進
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- 【補正予算の概要】
- 都市の再構築等のため、国の公共用地の先行取得を推進(3,200億円程度の事業実施)
- 地方公共団体等の用地の先行取得の促進を図るため、土地開発基金、土地開発公社、公共用地先行取得等事業債などによる対応を要請(8,000億円程度の追加要請)
- グリーンオアシス緊急整備事業の拡充(300m2→500m2)や市街地再開発事業の保留床を公共空間として取得する補助制度を創設
- 福祉インフラ整備促進のための用地取得に対する地方債措置を創設
V 金融機関の再編による構造改革
- 1.公正で透明な金融行政と自己責任に基づく金融機関の経営の健全化
- 新たに発足した金融監督庁の下、明確なルールを前提とした公正で透明性の高い金融行政体制を整備するとともに、金融機関の自己査定と外部監査の活用を前提とした市場規律の徹底により、不良債権処理と経営の健全化を推進する。
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- (1)自己責任に基づく不良債権の実質的処理の促進
- 情報開示と自己査定による不良債権の償却等の推進を図りながら、金融機関の不良債権問題の解決のため、不良債権処理の実質的処理を推進する。
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1)
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米国証券取引委員会(SEC)基準に基づく不良債権の公表
米国証券取引委員会(SEC)と同等の、より強化された基準による不良債権額の公表を徹底、来年3月期より、連結べ一スでの公表を罰則付きで義務化
さらに、国際的な会計・ディスクロージャー基準への早期移行を図るため、金融商品の時価会計、税効果会計等について2001年3月期からの導入を目指す
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2)
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適正な償却・引当の推進
本年3月期から、公認会計士の関与・活用の下で、金融機関の資産について網羅的な自己査定に基づく償却・引当を実施済。今後は、金融監督庁が自己査定結果の報告命令に基づき、日銀と連携して、厳正にチェック
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3)
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バルクセール・共同債権買取機構の活用等不良債権流動化の推進、不良債権等の流通市場の整備
- バルクセール、共同債権買取機構への売却など、不良債権の流動化を推進
- 不良債権の流通市場の早期立ち上げのため、整理回収銀行や住宅金融債権管理機構が保有する不良債権について、借り手責任の追及を図りつつ、早期売却を促進
- 金融機関の有する根抵当権付債権の共同債権買取機構等への譲渡を容易にし、不良債権の処理を促進するため、根抵当権の元本が確定する場合を明確にし、あわせて、根抵当権の元本の確定登記の手続きを簡素化する立法措置
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(2)明確なルールに基づく公正で透明な金融行政、金融監督の強化
- 公正な金融行政、金融監督を推進するため、金融機関の監督を事前調整型から事後監視型へ転換
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1)
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自己査定のチェック、コンプライアンスの確立
金融行政において、新たに発足した金融監督庁を中核とする自己査定のチェック、コンプライアンス(法令遵守)状況の把握を柱とする新金融検査方式を確立
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2)
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早期是正措置の厳正な運用と明確なルールによる監督の実施
銀行検査等の厳正なチェックにより、本年3月期から実施している早期是正措置の厳正な運用とともに、明確なルールによる監督を実施
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3)
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マニュアル等の整備・モニタリングの強化
金融検査については、外部のノウハウを取り入れた検査マニュアル及びチェックリストを整備し、公開。また、検査後における改善状況のフォローアップや財務諸表の継続的な分析などのモニタリングを行い、このため必要なコンピューターシステムを整備
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4)
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重点的、機動的な検査の実施
市場規律重視の基本的考え方の下、経営実態に応じて検査頻度にメリハリをつけ、重点的・機動的な検査を実施
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5)
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検査体制の充実・強化
金融監督庁の検査・監視・監督体制について、諸外国の金融検査監督当局の体制も参考に早急に見直しを行い、大幅な拡充を含む計画的な体制強化
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6)
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新たな仕組みの導入の検討
金融検査の前提となる金融機関の内部監査、公認会計士による外部監査など、広い意味での検査機能の充実・強化の観点から、金融に関する外部の専門的ノウハウを活用するための新たな仕組みの導入に向けての検討を開始
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7)
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不良債権の実態的処理のための集中検査の実施
金融再編をにらみつつ、金融機関における不良債権の明確化や実質的な不良債権処理を促進するため、金融監督庁と日銀が連携して、主要19行に対し、短期間に集中的、重点的な金融機関の検査を実施
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(3)金融機関のリストラ、経営健全化
金融機関経営に対する市場規律の徹底とともに、金融システム安定化のため、対策を万全に講じることにより、金融機関のリストラ、経営健全化を促進
2 金融システムの安定化と金融再編・再生
不良債権の処理を促進することは、金融機関の経営悪化、破綻や企業への貸し渋り等、経済への影響を伴うことが予想される。このため、いわゆるセーフティネットを含む金融システムの安定化対策に万全を期することにより、預金者、健全な借り手の保護を図りつつ、金融機関の再編を進め、早急に国際的競争力のある金融の再生を図る。
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1)
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検査・考査による自己査定の厳正なチェックと早期是正措置の厳正な運用
本年3月期から、外部監査の関与の下、網羅的な自己査定に基づく償却・引当を徹底するとともに、金融監督庁の命令に基づき、自己査定結果の報告を義務づけるなど事後的把握を厳正に実施
金融監督庁の銀行検査、日銀の考査等により、自己査定の厳正なチェックを行い、本年3月期から実施している早期是正措置の厳正な運用とともに、明確なルールによる監督を推進
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2)
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自己資木比率に応したリストラ措置を発動
債務超過銀行の閉鎖や経営体力を失った銀行の再編政策を早期に実施
具体的には、自己資本比率に応じ、経営改善計画の作成(国内基準49%未満:国際基準8%未満)、総資産の圧縮や支店の閉鎖等(国内基準2%未満:国際基準4%未満)、業務停止(0%未満)を実施
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3)
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金融機関の破綻処理等への対応 =30兆円の枠組みの活用
不良債権の処理に伴って生じる金融機関の破綻に対応するため、預金保険機構による預金者保護を徹底。また、資本注入の的確な実施により、システミック・リスクを回避
- 破綻した金融機関について、破綻金融機関の経営者の厳格な責任追及や、株主に対する損失負担の原則を貫くとともに、17兆円を活用した資金援助により、他の金融機関への合併、営業譲渡等を円滑に実施
- さらに、13兆円を活用したシステミック・リスクの回避と合併・経営の合理化による競争力の強化を推進
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4)
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ブリッジ・バンク制度の創設
金融機関の破綻に際して、その金融サービスの機能を引き継ごうとする民間の受け皿銀行が登場しない場合が想定。この場合、「善意かつ健全な借り手」に対する資金繰り倒産などの経済的混乱を未然に防止しつつ、金融システムの安定と、預金者保護を万全なものとするため、一定期間、善良かつ健全な借り手に係る債権・資産を継承し、運営しうるようなブリッジ・バンク制度を創設
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貸し渋り対策
民業補完としての政府系金融機関の役割に鑑み、民間金融機関による「貸し渋り」に対応するため、中小企業等の資金供給の円滑化に政府系金融機関を積極的に活用
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土地・債権流動化トータルプランのポイント
T 政治主導の政策形成
- 政務調査会に設けられた「土地・債権流動化促進特別調査会」において、3月下旬以来、延べ28回にも及ぶ行政、関係業界等から意見聴取や集中的な審議を行い、政治のリーダーシップにより政策をとりまとめ。
U 日本経済再生のための総合戦略を提示
- 経済対策の重要な柱として、不良債権の実態解明や流動化から担保不動産の有効利用や不動産取引の活性化までの総合戦略をとりまとめ、タイムスケジュールを明示。
金融機能の安定から再生、土地流動化による都市の再構築、資産デフレの是正を図り、金融・経済全般に対する内外の信頼を回復し、日本経済再生の基盤を構築。
V 入口から出口まで3本柱のトータルプラン
(1)債権債務関係の迅速・円滑な処理
- 複雑な権利関係を整理するため、臨時不動産関係権利調整委員会の設置、適正評価手続(デューデリジェンス)の確立と税務上の対応の明確化、共同債権買取機構の機能拡充、サービサー制度の創設、競売の迅速化、倒産法制の早期整備など、不良債権等の実質的な処理を促進するための条件整備を推進。
(2)虫食い地等の整形・集約化とこれらを活用した都市の再開発の促進
- 錯綜した債権債務関係の整序を前提に、虫食い地、低未利用地の整形・集約化し、付加価値を高め、都市再開発を積極的に推進。官民共同再開発のための住宅・都市整備公団の臨時出資金の創設、民間都市開発推進機構の土地取得業務の拡大、土地の流動化・有効利用のためのブロモート体制の構築等を推進。
(3)都市再構築のための公的土地需要の創出
- 民間需要不足を補完するため公的土地需要の創出を図る。防災対策、高齢者福祉、中心市街地活性化等都市の再構築のため、公共用地の先行取得の推進、用地取得制度の拡充等を推進。
W 実効性を担保するための積極的なフォロ一アップの推進
- トータルプランでとりまとめた施策については、タイムスケジュールに即して、補正予算の計上、新規立法の検討等を行い、金融機関の構造改革の状況をも注視しつつ、積極的なフォローアップを推進。
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