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アメリカをはじめ成文憲法をもつ世界の国々が、例外なく、法治国家として憲法の最高規範性を維持するため、時代の変化に適合させるように憲法を改正する努力を続けていることは周知の事実です。これに対して日本は、外国の占領下で制定した憲法を一度も改正せず、時代や内外の状況が大きく変化している中にあって、「国の基本」に関する法的対応をもっぱら政府の憲法解釈の工夫に求め続けてきました。現在、特に日本の平和や繁栄の基礎となる安全保障の分野をはじめとして、その限界が露わになっていると言わざるを得ません。今こそ、憲法制定権者たる国民とその代表機関たる国会が協働し、時代と状況を直視した、日本の新時代の幕開けにふさわしい憲法を創ることが必要です。
「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」という現憲法の三大原則は、国民の中に定着しつつ、戦後日本の平和と復興に大きく貢献してきました。このことは高く評価すべきです。このことを踏まえた上で、新憲法においては、人類普遍の価値としてのこれらの原則を、次のような方向で、さらに維持・発展させます。
第一に、有事やその他の緊急事態において、わが国民の生命・財産を大切に守る観点から、自衛のための戦力保持を明記し、世界の人々の生命・人権を尊重するという立場から、国際平和に積極的能動的に貢献する姿勢を明確にします。また、国際貢献のルール作りに当たっては、実力行使の原理について、和を尊び、命を慈しむわが国古来の伝統と、二度と繰り返してはならない悲惨な戦争の教訓を踏まえて十二分に検討し、わが国が得意とし、積極的に対応する分野と限定的な対応にとどめる分野とを明確にすることが必要です。
第二に、新憲法は、わかりやすく美しい日本語で起草し、未来のあるべき国家像や社会を示すとともに、環境権、知る権利やプライバシー権など新しい人権を明記し、個人の尊厳を確保するためにも社会を支える家族や共同体を「人の幸せの器」として大切に位置づけ、さらに、日本が誇りとする歴史、伝統、文化等を反映させて、全体としてみたときに「日本の顔の見える憲法」にしたいと思います。
第三に、国内外の諸情勢に迅速かつ的確に対応する政治主導の政策を実行するため、現行の二院制や国会と内閣の関係を含めて政治機構全般のあるべき形を検討します。また、憲法裁判所など憲法の価値を確保する制度についても考えてみたいと思います。さらに、「道州制」を含めた新しい地方自治のあり方や、その基本的原則(自己決定と自己責任の原則、補完性の原則など)を憲法に明示する必要があります。
最後に、今度の憲法改正は、日本の歴史が始まって以来初めて、「国民の投票」によって憲法を創るという非常に大きな意義をもつものです。憲法改正国民投票法などの早期成立を図るとともに、国民の深い理解と支持を得られるよう努力していきます。
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