1 破産財団の貸借対照表
国の届出債権は、以下の(4)と(5)の債権であり、合計約4億5900万円である。
〔注〕(8)その他の債権は、施設近隣住民被害者の損害賠償請求権、お布施返還請求権、物損等の損害賠償請求権、水道料債権等である。
2 国の届出債権の内訳
国の届出債権4億5995万4026円の内訳は下記のとおりである。
〔注〕 金額については、今後なお増減する可能性がある。
債権配分、サリン被害者ら優先
国の4億円を充当
オウム破産処理特別立法で方針
オウム真理教の破産手続きをめぐり、与党三党が合意して国の債権回収を後回しにする議員立法の準備を進めている動きに関して、国が事実上放棄する四億円余りについては、地下鉄サリン事件などの犠牲者の遺族や重症者ら特に大きな被害を受けた人たちに配分する方向であることが二十四日、明らかになった。債権者平等の立場をとる破産法の原則から踏み込むことになるが、「特別な措置を講じる以上、多くの国民が納得できる形で生かされねばらない」という考えに基づくという。二十五日午後には教団の債権者集会が東京地裁で開かれ、被害者の債権回収を優先しようとする国の方針についての説明がある。
関係者によると、配当の優遇措置の対象には、地下鉄、松本両サリン事件や坂本弁護士一家殺害、公証役場事務長拉致など、教団による凶悪事件の被害者たちが想定されているという。逆に、自治体などが主張する債権の扱いについては、特別な措置は考えられていない。
破産法では、例外的な条件を持たない債権者たちに対する配当率に差をつけることは認められない。しかし、今回は議員立法によって特別法を制定し、生命、身体に危険が及んだ人や、それに準じる被害を受けた人たちについては、特別の法的地位を与えるとみられる。
議員立法では、(1)国が主張してきた債権も含めたすべての債権申立額に基づいて個々の債権者への配当額を算出し、特別に規定される被害者以外への配当額を決める(2)サリン事件などの被害者らに対しては、国が事実上放棄した債権を改めて配分し、配当額を上積みする―という方式が考えられている。
国の債権は、労災保険金などの求償債権(約四億一千万円)のほか、破産の申し立てに先立って行われた宗教法人法に基づく教団解散手続きの事務経費(約四千九百万円)などが主張されている。破産財団の負債は五十億円を超えるが、保有する資産は十億四千二百万円にとどまっている。
現在の試算によると、債権者への配当率は一六%程度になるとみられている。ただし、こうした特別立法による措置が講じられることになれば、事件被害者への配当率は二〇%程度になりそうだ。
オウムへの債権、国が放棄へ
被害者配当
上積みへ4億円余議員立法を視野に
オウム真理教に対する破産手続きをめぐり、一連の事件の被害者に対する配当率を上げるため、四億円を超す国の債権届け出が撤回される見通しとなった。自民党の有志議員らが中心になって、議員立法の提出を視野に準備を進めている。現状では、教団の大幅な債務超過から被害者への配当率は二〇%を下回るが、労災保険金として払った額など国が主張する債権が配当率を低くする要因の一つになっている。議員らは「被害者の権利保障という原点に立ち返るべきだ」として、極めて異例の救済策を講じることにしたという。政府側も了承しているとみられ、地下鉄サリン事件の発生から三年を経て、被害者救済の道が広がることになりそうだ。
この問題をめぐっては、教団の資産を管理する破産管財人や、事件の被害者らが、一貫して国の債権届け出の撤回を求めてきた。破産管財人の試算によると、現状では被害者への配当率は一六%程度にとどまる。一方で、国が主張する約四億一千万円の一般債権などを撤回した場合には、一九%程度にまで引き上げることが可能だという。
被害者側の要請を受け、政府内でも救済策の検討を進めてきた。しかし、「国の財産は、法律に基づく場合を除き、適正な対価がないまま譲渡や貸し付けをしてはならない」と定めた財政法の規定などがあることから、政府の立場としては積極的に債権を取り下げるのは困難という判断に至った模様だ。
国会議員らは、こうした政府側の判断を受けて、独自に救済策を検討したという。その結果、・国が主張する今回の債権は、労災保険や犯罪被害者への給付金などをもとにした求償債権が中心で、本来は被害者救済のための制度が被害者自身の権利保障を妨げることになる・国が債権を主張したのは、もともと破産手続きを進めることによって教団資産の散逸を防ぐ意味合いが強く、そうした当初の目的はすでに達成されている――といった見解が示されたという。
このため、既存の法律にしばられない「政治判断」により、今回に限って適用される特別措置として、国が債権を放棄する方策を講じることにしたとみられる。
国の債権は、労災保険金などの求償債権(約四億一千万円)のほか、破産の申し立てに先立って行われた宗教法人法に基づく教団解散手続きの事務経費(約四千九百万円)などが主張されている。
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