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| 民事執行法の一部を改正する法律について |
| 1立法の目的
昨今の競売物件に対する妨害行為により物件の売却ができないという事態が生じている現状にかんがみ、不動産競売の手続における不当な妨害行為を排除し、競売の手続をより適性かつ迅速な遂行を図るため、保全処分及び引渡命令の対象者の範囲を拡張するとともに、その内容を充実し、強化する措置を講ずることを目的とする。
2改正の内容 (1)保全処分 1)保全処分の相手方 現行法は債務者だけを保全処分の相手方としているが、これに不動産の占有者を加えてその範囲を拡張する。 2)執行官保管を命ずる保全処分の要件 売却のための保全処分において、現在は、相手方が妨害行為の禁止命令等に違反した場合にはじめて執行官保管を命ずることができるものとされているが、このほか、妨害行為の禁止命令等によっては保全処分の目的を達することができない特別の事情があるときは、直ちに執行官保管を命ずることができるものとする。 3)審尋 債務者以外の占有者に対して保全処分を命ずる場合について、権利主張の機会を確保するための審尋の規定を設ける。 (2)引渡命令 差押えの効力発生後に不動産を占有した者のほか、その効力発生前から不動産を占有している者に対しても、事件の記録上その者がその権原を買受人に対抗することができると認められる場合を除き、引渡命令を発することができるものとしてその範囲を拡張する。 (3)担保権の実行としての不動産競売の開始決定前の保全処分 担保権の実行としての不動産競売の開始決定前においても、特に必要があるときは、売却のための保全処分と同様の保全処分を命ずることができるものとする。
3執行期日等 執行期日は、公布の日から起算して3月を越えない範囲内において政令で定めるものとし、政府は、執行後5年を目途として、改正規定の執行状況を勘案して、必要な検討をするものとする。
4民事執行法の一部を改正する法律案(保岡興治君外五名提出、衆法題四号)要旨 (法務委員会) 本案は、不動産の強制競売及び担保権の実行としての競売事件を処理するについて、占有者らの不当な妨害行為により、競売の手続の円滑な遂行に支障が生じている現状にかんがみ、不当な妨害行為を排除し、競売の手続のより適正迅速な遂行を図るための措置を講じようとするもので、その内容は次のとおりである。 一、保全処分の相手方を、債務者のほか、不動産の占有者にまで拡大すること。 二、売却のための保全処分を命ずる場合において、特別の事情があるときは、直ちに執行官保管命令を発することができるものとすること。 三、保全処分を命ずる場合において、裁判所が必要あると認めるときは、労働組合運動その他正当な活動をする者などの権利主張の機会を確保するため、審尋しなければならないものとすること。 四、引渡命令の相手方を、事件の記録上買受人に対抗することができる権原により占有していると認められる者を除く不動産の占有者にまで拡大すること。 五、不動産競売の開始決定前に、特に必要があるときは、売却のための保全処分を命ずることができるものとすること。 六、政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の民事執行法第五十五条、第七十七条、第八十三条及び第百八十七条の二の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、これらの規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
5民事執行法の一部を改正する法律案提案理由説明 ただいま議題となりました民事執行法の一部を改正する法律案について、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、不動産の強制競売及び担保権の実行としての競売事件を処理するについて、占有者らの不当な妨害行為により、競売の手続の円滑な遂行に支障が生じている現状にかんがみ、保全処分及び引渡命令の相手方の範囲を拡大する等により不当な妨害行為を適切に排除することができるようにすることによって、競売の手続のより適正迅速な遂行を図ろうとするものであります。 また、この法律案は、労働組合運動その他正当な活動に対しては、十分な配慮がなされなければならないことを前提とするものであります。 以下簡単にその要点を申し上げます。 第一点は、売却のための保全処分及び最高価買受申出人等のための保全処分の相手方を、債務者のほか、不動産の占有者にまで拡大することであります。 第二点は、売却のための保全処分を命ずる場合において、特別の事情があるときは、直ちに執行官保管命令を発することができるものとすることであります。 第三点は、売却のための保全処分及び最高価買受申出人等のための保全処分を命ずる場合において、裁判所が必要があると認めるときは、労働組合運動その他正当な活動をする者などの権利主張の機会を確保するため、審尋を行うことを法律上明確化することであります。 第四点は、引渡命令の相手方を、事件の記録上買受人に対抗することができる権原により占有していると認められる者を除く不動産の占有者にまで拡大することであります。 第五点は、不動産に対する担保権の実行としての競売の開始決定がされる前に、特に必要があるときは、売却のための保全処分を命ずることができるものとすることであります。 第六点は、附則において、政府は、この法律の執行後五年を目途として、この法律による改正後の民事執行法第五十五条、第七十七条、第八十三条及び第百八十七条の二の規定の執行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、これらの規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることであります。 以上のほか、所要の規定を整備することとしております。 以上が、この法律案の趣旨であります。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
6民事執行法の一部を改正する法律案に対する附帯決議 本法の施行に当たっては、労働組合運動その他正当な活動を阻害することのないよう十分配慮されたい。 |